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  平成24年就業構造基本調査結果  

 
 就業構造基本調査は、就業・不就業の実態を種々の観点から捉え、日本の就業構造を全国だけでなく、地域別にも詳細に明らかにし、国や都道府県における雇用政策、経済政策などの各種行政施策立案の基礎資料を得ることや学術研究のための利用に資することなどを目的に、昭和31年(1956年)の第1回調査以降は3年ごとに、昭和57年(1982年)以降は5年ごとに実施されている。
 平成24年就業構造基本調査は、全国の世帯から無作為に選定した約47万人世帯の15歳以上の世帯員約100万人を対象に、平成24年10月1日現在で実施した。
■15歳以上人口の就業構造
 15歳以上の就業状態では、有業者は6,442万人で5年前に比べ155万人減少し、無業者は4,639万人で207万人増加している。
 有業率は男性が68.8%で5年前に比べて2.8ポイント低下し、女性が48.2%で0.6ポイント低下している。
 年齢階級別の有業率は男性がすべての年齢階級で低下、女性は25歳から39歳までの各年齢層で上昇するとともに、M字型カーブの底が「30〜34歳」から「35〜39歳」に移行している。
 「正規の職員・従業員」、「労働者派遣事業所の派遣社員」は5年前に比べ減少しているが、「パート」、「契約社員」などは増加している。
 「雇用者(役員を除く)」は「雇用契約期間の定めがない(定年までの雇用を含む)」人が68.5%、「雇用契約期間の定めがある」人が22.6%となっている。「非正規の職員・従業員」は「雇用契約期間の定めがない(定年までの雇用を含む)」人が30.2%、「雇用契約期間の定めがある」人が52.7%となっている。
 週間就業時間は42時間以下の各階級の割合が上昇、43時間以上の各階級の割合は低下している。
 過去5年間の転職就業者の産業間異動は「医療、福祉」などで転入超過、「製造業」などで転出超過となっている。
■最近の社会情勢からみた就業状況の変化
 東日本大震災により離職した人は全国で21万人で、4割以上が被災3県在職者となっている。震災により離職した人で、現在「雇用者(役員を除く)」のうち約6割が「非正規の職員・従業員」となっている。震災により離職した人のうち約4割が現在無業者で、このうち就業希望者は約7割となっている。
 震災による避難者35万人のうち、直接の被害により離職した人は4万人、このうちの5割以上は無業者となっている。
■就業を取り巻く状況
 「雇用者(役員を除く)」に占める「非正規の職員・従業員」の割合は38.2%で、男性は22.1%女性は57.5%となっており、男女ともに上昇が続いている。過去5年間の転職就業者の雇用形態間異動は、正規から非正規への異動割合が上昇している。
 若年(15〜34歳)人口に占める「若年無業者」の割合は2.3%で、5年前に比べ0.2ポイント上昇している。
 育児をしている女性の有業率は、年齢が高くなるにつれ上昇している。
 過去5年間に介護や看護のため前職を離職した人は49万人で、このうち女性は39万人で約8割を占めている。
 高齢者の就業状況では、「60〜64歳」の有業者および就業希望者は男性が約8割、女性が約6割となっている。
 職業訓練・自己啓発をした人の割合は、「雇用者(役員を除く)」および「自営業主」で、男性より女性が高くなっている。