平成26年2月14日に、「次世代育成支援法案」と「パートタイム労働法改正法案」が第185回国会(常会)に提出された。
次世代育成支援法は、急速な少子化の進行を踏まえ、少子化の流れを変えるため、従来の取組み(エンゼルプラン等)に加えもう一段の対策を推進することを目的に、平成27年3月31日までの時限立法として、平成15年7月に公布された。
同法では、国や地域だけではなく、常時301人以上の労働者を雇用する事業主に対しても、一般事業主行動計画の策定と届出を義務づけるなど、計画的に次世代育成支援対策に取り組むことを求めている。
今回の一部改正法案は、厚生労働大臣の認定を受けた事業主からの申請に基づき、新たに設ける特例認定(平成27年4月1日施行予定)を受けることができるようにするもの。特例認定を受けた事業主は、行動計画の策定と届出に代えて、次世代育成支援対策の実施状況を公表するなどの仕組みが設けられる。
特例認定一般事業主は、広告等に厚生労働大臣の定める表示をできるが、紛らわしい表示をしてはならないことになる。
特例認定一般事業主が、認定基準に適合しなくなったとき、実施状況の公表をしなかったとき、または虚偽の公表をしたときは、厚生労働大臣が特例認定を取り消すことができる。
また、法律の有効期限が10年間延長され、平成37年3月31日までとなる。
政府は法律の施行後5年を目途として、法律による改正後の次世代育成支援法の規定について、施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じることとなる。
一方、パートタイム労働者がその能力をより発揮できる雇用環境を整備するため、平成24年4月に改正パートタイム労働法が施行された。
近年、就業構造の変化や働き方の多様化が進み、パートタイム労働者の割合が急増、社会的にもパートタイムという働き方が定着してきている。また、企業においてもパータイム労働者を基幹的な戦力として活用する動きが表れている。
今回の一部改正法案では、パートタイム労働者であっても、正社員と同じ仕事をしていれば賃金などを同じにするなど、待遇についての差別的取扱いが禁止される。
また、パートタイム労働者の納得性を高めるための措置として、パートタイム労働者を雇い入れたときは、正社員への転換制度など雇用管理の改善内容について、事業主がパートタイム労働者に説明する義務が新設されれる。
事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ適切に対応するために、必要な体制を整備しなければならない。
規定に違反している事業主に対しては、厚生労働大臣が勧告し、その勧告に従わなかった場合は、その旨が公表される。
厚生労働大臣は、雇用管理の改善について必要に応じて事業主に報告を求めることができるが、報告をせずまたは虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料に課す規定も盛り込まれた。
国は事業主に対し、パートタイム労働者の雇用管理の改善に関する事項について相談と助言を行うこととされた。
今回の法改正で、手当てや福利厚生施設の利用など、正社員並みの待遇を受けられるパートタイム労働者は、現在の約17万人から10万人増える見通しとされている。 |